イベントレポート

イベントレポート(2011年)

vol9.
小田原・鈴廣かまぼこの里で世界食料デーイベントを開催しました

主催:
株式会社 鈴廣蒲鉾本店
日時:
2011年10月1日(土)~31日(月)
場所:
鈴廣かまぼこの里
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株式会社 鈴廣蒲鉾本店(神奈川県小田原市、以下鈴廣)は「世界食料デー」月間(10月1日~31日)に賛同し、鈴廣かまぼこの里でイベントを行いました。(文責:鈴廣蒲鉾本店)

 

レストランでの募金活動 「みんなの20円で、何人の笑顔が生まれるでしょう?」

かまぼこの里内のレストランえれんなごっそはフードロスを考えてオープンしました。その日に収穫されたお魚や農作物をどんな種類でも使えるようにしようと、ブッフェスタイルにしております。かまぼこ製造の際にでてきた魚のあらを肥料にし、その肥料で育てた野菜を主に使っています。 ここではお客様がテーブルにおつきになった際に、スタッフより国連食糧農業機関(FAO)から提供された「世界食料デー」のチラシをお配りいたしました。また世界の食料問題にかかわる内容が書かれたパネルを、(特活)ハンガー・フリー・ワールドの協力のもと、お客様がお待ちの間に見ていただけるように設置しました。 お食事をしていただいた場合、お客様一人当たり、20円をFAOが実施するテレブード募金に送ることにしました。10月は8,288名のお客様にいらしていただき、結果16万3,760円を募金いたしました。300ドルで60人の農家さんが種を購入することができることを明示し、お客様の成果が見えやすいように、お客様一人ひとりに果実のシールをお配りし、木の幹が印刷されたボードに貼っていただきました(写真参照)。20円でも多くの方が集まると大きな力になることを、木の果実がどんどん実っていく様子で表現しようとしました。
また、レストランと同じ敷地内にあるかまぼこ博物館では「世界の食料問題とわたしたちの生活」をテーマに、(特活)ハンガー・フリー・ワールドの協力を受け、世界の飢餓や食料廃棄の問題をわかりやすく展示するコーナーを設けました。

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来年度に向けて生まれる新しいアイデア

イベントを開催中にお客様からは「素晴らしいとりくみですね」、「もっと募金したいときにはどうしたらいいの?」「これからも継続しますか」、「いろいろなところで良いことをやっていても世の中全体が変わらないとな……」などのさまざまな声を頂戴しました。また、社内からは「本業の中でもっとフードロスをなくしていくようなことをしたい」という声があがりました。  東北大震災や地元の環境保全等にくらべて、アフリカの子供たちの飢餓という内容が少し遠く感じている社内の人間が多かったのも確かです。やはり自分の言葉でこの問題を語れるようになる、この問題にかかわることが大事だという情熱を社員がもって、お客様へ伝えることができたらもっと伝わったのではないかなと思います。
次回に向けてまずは社内で勉強会を開き、「日本や世界でどのようなフードロスと飢餓の問題が起きているのか」、「アフリカで起きていることと日本とどうつながってくるのか」、「地元小田原や社内で起きているフードロスや栄養に係る問題は何か」を考えてみる場を作りたいと。 その上で、鈴廣の本業としてすべきことはなにかを考え、もし来年も同様にイベントを行うのであれば里のイベントとしてすべきことは何かに落とし込んでいけたらと思っております。

 

 

vol8.
10月の筑波大学 学食にアフリカ風メニューが登場!

主催:
ユース・エンディング・ハンガー茨城、Table for Two筑波大学
日時:
2011年10月1日(土)~31日(月)
場所:
筑波大学3エリア大食堂
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「世界食料デ―」月間の10月中、筑波大学の3エリア大食堂の協力を得て、ユース・エンディング・ハンガー(以下YEH)茨城とTABLE FOR TWO(以下TFT)筑波大学の共催でイベントを行いました。貧しい、遠いなどのイメージを持たれている国々に対して、「食」を通じて親しみを感じてほしい。飢餓について改めて考えるきっかけとなってほしい。そして、この活動を通じて、自分たちの活動について知ってもらいたい、などの思いから企画しました。(文責:ユース・エンディング・ハンガー茨城)

 

西アフリカメニュー、1時間で完売

10月の1ヵ月間、筑波大学の食堂でアフリカ風メニューを提供するイベントを実施しました。1日約750名が利用する食堂で、アフリカ風ピーナッツバターカレー、西アフリカ風鶏のトマト煮、アフリカ風ココナッツミルクカレーと、アフリカ風メニューを週替わりで3種類提供。一日限定40食は、どのメニューもほぼ完売し、期間中750食を販売しました。「トマト煮が一番おいしかった」と食堂の方の自信作だった鶏のトマト煮は特に人気で、わずか1時間で完売してしまうほどでした。売り上げからは、1食につき20円が寄付になり、TFTを通じて約900食の給食をアフリカの子どもたちに届けることができました。
また、夏休みに海外支部を訪れたYEHメンバーが撮影した人々と食べ物の写真、自炊でできるアフリカ料理・バングラデシュ料理のレシピなど、支援先の国の「食」にまつわる楽しいコラムを展示。世界地図のパッチワークを使ったYEHとTFTの紹介ポスター、「世界食料デー」月間についての解説も掲示しました。

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食べることで興味を持ってもらう

毎週メニューが変わることで、学食を利用するみなさんに、わくわく感を持ってもらえたようで、「今週は何? 毎週楽しみにしてるよ!」と多くの人に言ってもらいました。普段はほとんど意識することのない国々について知ってもらい、興味を持ってもらったことで、わずかでも“つながり”ができたのなら、これから飢餓について、ふと考えたりしてもらえると思います。
メニューをおいしく提供していただいた食堂職員の方からは、「たくさん売れたし、YEHという団体に協力もできたし、やってよかったです。来年もやるなら、ぜひよろしくお願いします」、TFT筑波大学代表の秋山さんからは、「私たちの団体ではやったことのない、大きなイベントができました。今後も、飢餓に取り組む団体同士、協力していけたらいいです」と、うれしい感想をいただきました。
<イベント責任者の荒井ひかる、丸山友紀(いずれも筑波大学1年)からのコメント>
活動に惹かれ、すばらしい先輩たちに憧れて、YEHに加入した春。しかし、今年は震災の影響でなかなか活動ができませんでした。知人に「YEHって募金ぐらいしかしてないんじゃない?」と言われても、まだあまり活動について知らなくて言い返せず、悔しい思いをしました。
何かしたい気持ちはありながら、生意気と思われるかな…と、先輩に言う勇気もなく、6月頃はもんもんとしていました。しかし、ミーティングで打ち明けると、先輩たちは真剣に耳を傾け「じゃあ、1年生主体でやってみよう」と、話題に出ていたこの企画を任せてくれました。
1年生3人が責任者で不安がありましたが、やらせていただいてよかったです。もっとYEHについて知ることができ、YEHメンバーの自覚も持てました。YEHってすごいね、最近がんばってるね、などと声もかけてもらい、YEHとTFTの知名度も格段に上がりました。なんと、YEHで活動したいという人が3人も現れました! 反省点は、リーダーであってもわからないことだらけで、先輩に任せきりの作業もあり、もっと主体的に携わるべきだったこと、係によって仕事量に差が出てしまったことです。
このイベントは自分たちだけでは決して実現できなかったと実感しています。学食職員の方々、TFTのみなさん、T-ACT(筑波大学による学生の活動を支援する会)のみなさん、メニューの感想を宣伝してくれた友達、全国のYEHメンバー、先輩方、本当に多くの方に支えられました。心から感謝しています。 新たなつながりを大切にし、活動に生かしていけたらと思います。

vol7.
第4回 フードバンクシンポジウム

主催:
セカンドハーベスト・ジャパン
日時:
2011年10月16日(日)
場所:
代々木オリンピックセンター
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被災地へ93回トラックで支援物資を運んだセカンドハーベスト・ジャパンが、世界食料デー(10月16日)に第4回フードバンクシンポジウムを開催しました。行政や全国のフードバンクが一同に会し、大盛況でした。(文責:セカンドハーベスト・ジャパン)

 

フードバンク団体としての被災地支援

東日本大震災当日(3.11 )には、首都圏の帰宅難民者に約4000食を徹夜で配布し、その2日後には被災地へCNNとともに駆けつけた、セカンドハーベスト・ジャパン。10月5日までの間に、被災地へ93往復、トラックを走らせ、食品を始めとした支援物資を届ける活動を今も継続しています。普段は、食品企業や量販店、農家などで余っている食べ物を預かり、福祉施設や母子施設など、食料に困っている施設に配分する(=フードバンク)活動をしている、日本で初めてのフードバンク団体です。2000年から活動を始め、2002年3月11日に法人化。法人化の日が大震災の日と全く同じなのも、感慨深いことです。

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フードバンクの役割とこれから

セカンドハーベストは、10月16日の国連が定めた世界食料デーに際し、第4回フードバンクシンポジウムを東京で開催しました。2008年から毎年、「世界食料デー」月間である10月に開催してきました。今年は大震災が発生したこともあり、テーマを「東日本大震災とフードバンク」と銘打ち、震災のような非常時にフードバンクがどう貢献できるかについて議論しました。会場には、省庁や企業、被災地の行政(新地町役場)、北は東北から南は沖縄まで、全国のフードバンク団体が一同に会し、東日本大震災に際してどのように対応したかの報告を始め、今後、同様の事態が発生することに備えてどうあるべきかを議論しました。10月半ばにもかかわらず、シンポジウム開催当日の東京は、最高気温が約29℃にも及び、会場は熱気に包まれました。当日の様子は、セカンドハーベスト・ジャパンの公式サイトにも掲載しています。

 

 

 

vol6.
食料価格:危機から安定へ

主催:
FAO日本事務所
日時:
2011年9月28日(水)14:00~16:00
場所:
アジア会館
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今回のセミナーでは今年の「世界食料デー」のテーマ「食料価格:危機から安定へ」と題し、国連食糧農業機関(FAO)のデータや分析を紹介しながら、不安定な動きをする世界の食料価格の変遷と最近の動向、背景、影響等について考え、今後の対応について提議しました。(文責:FAO日本事務所)

 

食料価格の動向

1970年代の食料危機の後、2000年代前半まで続いた安く、安定した食料価格の時代は終焉し、高く、不安定な食料価格の時代に入っています。
従来と異なる需給環境の要素としては、農産物の用途としての食料とエネルギーの競合の激化、食料市場の金融市場化、伝統的な穀物輸出国の過剰生産の解消及び穀物在庫水準の低下等があげられます。世界人口の増加、所得向上による畜産物消費等の拡大等による需要の増大、土地、水、生物多様性等の資源の悪化、気候変動の影響などによる供給面での制約は、今後も、続きます。更に、食料の国際貿易のルールは、輸出と輸入で不均衡であり、輸出規制のリスクは常にあります。これらは、今後も、高く、不安定な食料価格が続くことを示唆するものです。
食料価格の高騰は、支出に占める食料の購入費の割合の高い貧しい人々に大きな影響を与えます。これらの脆弱な人々は、世界経済不況による所得の減少と相まって、十分な食料を入手できなくなり、世界の飢餓人口は9億人を超える水準に達しています。2007年から2008年にかけての食料危機と言われた時期には、20ヵ国以上で食料暴動が起り、また、2011年に入っての北アフリカや中東での政変の要因のひとつには食料価格の高騰が指摘されています。食料への権利が実現されないことは不公正な社会を象徴するものとしてとらえられ、政治体制を揺るがす力となっています。

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現状の課題と今後の対応

安く、安定した食料価格が続いた数十年にわたり、多くの国の国内政策において、また、開発援助の面で、農業部門が軽視されてきました。先進国の政府開発援助に占める農業の割合は、1980年の19%から5%にまで低下しました。他方、貧困国の国際経済への統合は、食料輸入の増大という形で進展しました。これまでの農業への投資の不足が、今日の不安定な状況の根本的原因です。また、食料と競合するバイオ燃料については、助成策や使用の義務付けは廃止されるか、少なくともより柔軟なものにすべきです。投機資金については、価格変動を増幅させるおそれがあることから、先物市場等の情報、透明性の改善が求められています。
飢餓人口の削減は、世界が直面する最も困難な課題のひとつですが、食料価格や燃料価格の高騰・不安定性、政治的紛争、農業部門への投資の不足のため、それに向けての努力は一層困難になっています。今日ソマリアで起きているように、多くの貧困国において、惨事を回避するために必要なセーフティネットが整備されていません。また、貧困を軽減し、女性の能力を強化し、マーケット・アクセスを改善し、生態系や天然資源を適切に管理し、持続的農業を推進するための長期的な投資は、十分な速度で進捗していません。飢餓の削減という国際社会の目標を達成するためには、さまざまな関係者の連携を図りつつ、国際社会の支援を得た国家主導の対応が強化されなければなりません。
当日の参加者は53名で、10代から70代くらいの幅広い年齢層の方々にお越しいただきました。一般参加者に加え、省庁やNGO、メディアからの参加も数多くありました。「日本の食料安全保障さえ良ければいいという状況ではなくなった」、「ネットワークに国内の有機農業成功者をもっと巻き込んではどうか」などの声が寄せられました。

 

 

 

vol5.
「貧困国」の「食の安全」に私たちの責任?

主催:
WE21ジャパン/アフリカ日本協議会
日時:
2011年9月16日(金)13:30~16:00
場所:
かながわ県民活動サポートセンター305室
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「食の安全」……。私たち自身の「食の安全」はもちろん必要ですが、同時に世界、そして「貧困国」の「食の安全」について、思いをはせる人はどれくらいいるでしょうか。いわゆる「先進国」や「アグリビジネス」がこうした国の「食の安全」を脅かしている事例、そして「先進国」の私たちの責任について考えました。(文責:WE21ジャパン)

※「世界食料デー」月間2011のプレイベント第5回として開催しました

 

南アフリカでの食料援助

講師の津山さんから、南アフリカでの事例を取り上げながら、遺伝子組み換え作物についての説明をしていただきました。南アフリカは世界第8位の遺伝子組み換え作物の生産国であり、また日本は世界最大の遺伝子組換え作物輸入国であるとのこと。私たちもこの問題に決して無関係ではないことに改めて気づかされました。
遺伝子組み換え作物は、除草剤に抵抗力がある、作物自体が殺虫能力を持つなどの性質を持つ一方、生態系への影響、多国籍企業による種子の独占、人体への影響が懸念されていますが、南アフリカでは「食料援助」として、遺伝子組み換え作物が貧困層である小規模農家に配布され(種子・農薬・化学肥料などがセット)、さまざまな問題を引き起こしているということです。例えば、遺伝子組み換えについての説明がないまま導入され、援助の際の自己負担金が支払えず中止しても、土壌が変質してしまったために、伝統的な農業(在来種・混作・牛糞堆肥)に戻れずに、ますます貧困と飢餓に陥るなどといったように、事態は深刻であるとのご報告でした。

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飢餓を解決するために必要なこと

これは「新たな南北問題」ともいえると津山さんは指摘します。つまり、種子の支配による農と食の支配、援助による支配による選択の権利の喪失、在来種の喪失による伝統農業・文化・価値観の喪失、農業支出の急増による多国企業の市場拡大、持続的農業・多様性のある農業の喪失による飢えなどの現象が見られ、「北による南の農と食の支配」が起こっているとのことです。
こうした流れを食い止めるためにも、津山さんは伝統的な有機農法を広めていくことに取り組まれています。また、この問題はすでに世界の大きな課題になっており、市民としてのネットワークを広げて行動していくことが大切であると津山さんは呼びかけています。貧困や飢餓の問題に対し、食料を与えることだけが問題解決ではなく、現地のことを考え、安定と安心のある生活を送っていけるようにすることが求められるという津山さんの言葉に、一方的でない、現地のことを第一に考えた協力のあり方や、問題に対して行動することの必要性を改めて感じさせられました。

 

 

 

vol4.
東北へ食品パッケージを届けよう! プロジェクト(ボランティア体験)

主催:
セカンドハーベスト・ジャパン
日時:
2011年9月1日(木)
場所:
セカンドハーベスト・ジャパン事務所
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食品製造メーカーや農家、個人などから、まだ充分食べられるにも関わらず廃棄される食品を引き取り、それらを児童養護施設の子どもたちやDV被害者のためのシェルター、路上生活を強いられている人たちなどの元に届けるフードバンク活動を行うセカンドハーベスト・ジャパン。今回はボランティア体験として、福島県・南相馬市と宮城県・南三陸町へ向けた食品パッケージづくりを行いました。(文責:セカンドハーベスト・ジャパン)

※「世界食料デー」月間2011のプレイベント第4回として開催しました

 

東北へ向けた食品パッケージ

セカンドハーベスト・ジャパンは、通常フードバンク活動を行っていますが、3月11日の東日本大震災以降、日々変化する被災地のニーズに可能な限り答えながらさまざまな支援活動を行っています。そのひとつとして、6月から被災地の仮設住宅に住む方々にお米や調味料などを詰めたパッケージを届ける活動を行っています。この活動は反響が大きく、受け取った方々からたくさんのお手紙をいただいています。
「テレビや新聞で報道されている通りのつら~い毎日でしたが、おかげ様でこの仮設住宅に入居させていただき、今は何とか落ち着き安心できるような毎日に幸せを感謝いたしております。突然今日は大きな荷物が届き、重い箱にはお米などいろいろな食品が。それはそれはびっくり。皆様に心から感謝申し上げます……。私たちも気をとりなおし、おいしい食事に元気でいて、みなさまの御荷物に病気だけはならないようにと毎日願っております……。今日はほんとうにありがとうございました。涙がとまりません。失礼致します」(南相馬市在住の方より)。

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暑いなかでのボランティア体験

今回は、「世界食料デー」月間2011のプレイベント第4回として、福島県・南相馬市と宮城県・南三陸町の仮設住宅に住む家庭に届ける食品のパッケージを作りました。企業グループと個人で参加していただいた33名のボランティアのみなさんのご協力で、370箱作ることができました。一箱25kg程の重い箱を運ぶ作業はとても大変でしたが、汗を流し頑張ってくださったみなさま、ありがとうございました。

 

 

 

 

vol3.
ゼロ・ハンガー・ネットワークによる ブルキナファソでの取り組み

主催:
緑のサヘル
日時:
2011年8月25日(木)14:00~15:30
場所:
JICA地球ひろば
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今回のセミナーでは、緑のサヘルが協力しているゼロ・ハンガー・ネットワーク・ジャパンによるブルキナファソでの取り組みについて紹介することを通じて、「食料問題とは何か」について考えました。(文責:緑のサヘル)

※「世界食料デー」月間のプレイベント第3回として開催しました

 

ブルキナファソの食料自給率の実態

ゼロ・ハンガー・ネットワーク・ジャパンは、世界から飢えと栄養不足をなくすることを目的に、日本のNGO/NPOや民間企業、法人団体、国際機関などが力を合わせ、情報発信と具体的な行動を起こすためのネットワークとして、今年設立されました。設立後、初めてとなる海外協力活動として、ブルキナファソのネットワーク「ブルキナファソ飢餓対策連盟(以下、ACF)」が行なっている「食料問題の改善」に協力しています。緑のサヘルは、ゼロ・ハンガー・ネットワーク・ジャパンの参加団体として、現地での調整を担当しています。

この協力活動では、食料の安全保障に関する現地の方々の意識を喚起すると共に、取り組みの強化や活性化を図ることを目的にしています。具体的には、ACFのネットワークを経由して、参加団体であるブアヤバ、ペングウェンデ、テールターバの3団体によって取り組まれている、農作物の生産性の向上や、現金収入の増加を目的とした野菜栽培プロジェクトの支援につながっています。各団体の取り組みに関する進捗状況について、報告を行ないました。
これらを踏まえた上で、彼らの活動がどのように食料問題の改善あるいは「食の安全保障(フード・セキュリティ)」につながっているのかを掘り下げて考えていきました。ブルキナファソの食料自給率は、国レベルで見た場合、121%(※)とされており、数字上でみた限りでは充分賄われているように思えます。しかし、自給率とは、「消費量がどれだけ国内で『生産』できているか」を示しているに過ぎず、消費の実態を反映しているわけではありません。

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「食料問題」は「生活問題」

生産された農作物は「商品」として販売され、「流通」を通じて他の地域に運ばれ、市場や商店での「販売」を通じて食卓へ届いています。これらの過程には、「現金」が関与しています。つまり、「現金」がなければ、「消費」には至らないことになります。したがって、「食料問題」は、「経済問題」の側面を持っていることになります。このような状況は、都市だけではなく、地方においても共通しています。農産物を生産している方々も、「食料品」を購入しています。なぜならば、食事を用意するためには、食用油や塩、調味料などが必要になるからです。この意味において、「食料問題」は、「食べることの問題」と言い換えることができます。
ブルキナファソで3団体によって取り組まれている野菜栽培は、販売を目的にしています。これだけでは、必ずしも「食料問題」の解決に直結していないかのように思えます。しかし、食べるためには現金が必要であることに留意すれば、現金収入は彼らの生活を成り立たせる上で必要不可欠なものだとわかります。つまり、彼らは「食料問題」を「生活問題」として捉え、その解決のために活動に取り組んでいるといえます。
なお、当日は、学生や会社員、主婦、教育関係者など10代から60代までの幅広い世代の方々が集まり、参加者からは、以下のようなコメントが寄せられました。「ネットワーク同士の取り組みを通してのブルキナファソについて、ということで新鮮でした」「食料問題が、ただ単に生産の不足の問題というのではなく、畑から消費にいたるまでに物流・販売があり、経済の流れに組み込まれているという視点が大切だと思った」「食料問題を単に自給率等の数値によってだけではなく、生活感を伴った理解を通じて捉えることが必要だということに納得しました」。

 

(※)参照:ブルキナファソ農業水利省「穀物に関する食料自給率」2009/2010年

 

 

vol2.
これからの農業と食生活を考えるヒント ―バングラデシュと日本のマーケットから―

主催:
ハンガー・フリー・ワールド
日時:
2011年8月6日(土)13:00~14:30
場所:
地球環境パートナーシッププラザ(GEOC)
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南アジア・バングラデシュと日本。それぞれの国が抱えている「食」についての課題は違うものの、よりよい農業や食生活を実現するためには何が必要なのか。生産者と消費者が交わる場所であるマーケットをテーマに考えました。(文責:ハンガー・フリー・ワールド)
※「世界食料デー」月間のプレイベント第2回として開催しました

 

人が集まり、つながり合うマーケット

はじめに、ハンガー・フリー・ワールド(HFW)のバングラデシュ支部職員のアンジュマン・アクターが発表しました。人口の約60%が農業に従事しているものの、土地を持たない貧しい農家が多いバングラデシュ。農薬や化学肥料、種子を毎年買う必要があるため家計を圧迫する「近代農業」に対し、HFWでは、ワラや牛糞、薬草など身近なものを活用することで生活が安定する「有機農業」を推進していることを紹介しました。
次に、Farmer’s Market Associationの田中佑資さんが、農家と都市部の消費者をつなげるために、表参道で毎週末、農家が直売を行う「ファーマーズマーケット」の取り組みを紹介。この取り組みに参加している農家やお客さんを紹介しながら、人が集い、つながるマーケットは生活の一部であり、そこで生まれる文化を発信する場所と話しました。

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食に関わる人と人との距離

また、田中さんからは参加者に向けて「今のままの消費でいいのか」「もっと食に“参加”してほしい」というメッセージが。農家が手間をかけて生産しても、買う人にそれが伝わらなくては、安くて見た目がいいものが選ばれてしまうのはバングラデシュも日本も同じ。農家から直接買うなど、生産者と消費者との距離が近づき、「食」について自然と考えたくなるような機会を増やすこと、また消費者の「食」に対する意識を変えていく大切さを、登壇者の2人で確認しました。
参加者は20代から60代の幅広い年齢層の24名。「消費という言葉を深く考えさせられた」「生産者と消費者が切り離されている現状について改めて考えさせられた。どうしたら両者のつながりをつくりだせるか、自分なりに考えたい」「食べることは当たり前ではなく、誰かが一生懸命作ったものを食べさせていただいている、という意識を持つべき」などの声が寄せられました。
作る、売る、買う、食べる……。その流れには、たくさんの人が関わっています。これからの農業や食生活を考えるためには、まずそのことを知り、人のつながりを意識することが大切であると、再確認する機会となったようです。

 

 

 

vol1.
世界と地球の困った現実 -買っているのに捨てている私たち-

主催:
日本国際飢餓対策機構
日時:
2011年7月30日(土)14:00~16:00
場所:
JICA兵庫
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食べ物を海外からの輸入に頼りながら、その約3分の1を捨てている日本。一方で、今日もお腹を空かして苦しんでいる人は世界中に9億2500万人。私たちの普段の食を通して見えてくるアンバランスな世界について、参加者と一緒に考えました。(文責:日本国際飢餓対策機構)

※「世界食料デー」月間のプレイベント第1回として開催しました

 

日本の低い食料自給率と大量の食料廃棄、そして世界で起こっている飢餓の現実

日本国際飢餓対策機構・愛知事務所の小島亮子を講師に、ワークショップ「世界と地球の困った現実」をJICA兵庫で実施しました。ワークショップではまず最初に、みなさんの昨日の夕ご飯の絵を書いてもらい、それぞれの材料を書き出してもらいました。その後に一つひとつの材料の食料自給率を書き出し、普段自分たちが食べている食事がいかに海外からの輸入品に頼っているかをそれぞれ実感しました。特に味噌や醤油などは日本食によく使われるので、食料自給率が高いと思っていた人が多くいました。しかしほとんどの大豆は輸入品のため、その食料自給率の低さに驚いていました。

その後にはスライドを交えながら、日本の食料廃棄量、そして世界の飢餓の現状を学びました。日本は食料の約60%を海外からの輸入に頼る一方で、年間約1900万トンを捨てているという現実。しかし世界では飢えで亡くなる人が1日に2万5000人もいるという現実に、参加者のみなさんは問題の大きさを再認識されていたようです。

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私たちの食生活と無関係ではない飢餓

参加者のなかからは、「50年前は米と野菜と少しの魚しか食べていなかったのに、今ではパンや肉、乳製品や加工品ばかりを食べている。気がついたら時代の流れと共に食生活までいつのまにか変わってきてしまった」という声が聞かれました。今回のワークショップで食料自給率が40%(2009年度、カロリーベース)にまで落ち込んでしまった理由について考えるなかで、「自分の国さえよければ」という思いで食べ物を独り占めしている日本の食生活を、一人ひとりが見直す良い機会になりました。
当日は高校生、NGO職員、教員など幅広い層から15名が参加。アンケートの中では、「食べたい時に食べたいだけ食べられる私たち。一方で、1日に2万5000人が飢えて亡くなっていく世界。改めて関心を持ち続けなければと実感した」、「食べ物を無駄にせずに感謝をしようと思った」、「まずは現実を知る事が大切だと思った」などの声が寄せられました。なかでも学校の教員の方は「今後生徒にもこのようなワークショップをして、子どもたちにもぜひ伝えていきたい」と意気込みを見せていました。