イベントレポート

イベントレポート(2012年)

vol6.
講演会「世界の“食”をつくばから考える」

主催:
ユース・エンディング・ハンガー茨城、TABLE FOR TWO筑波大学
共催:
ハンガー・フリー・ワールド、TABLE FOR TWO
日時:
2012年10月25日(木)18:30~20:30
場所:
筑波大学
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昨年から筑波大学で始めた、ユース・エンディング・ハンガー茨城とTABLE FOR TWO筑波大学の「世界食料デー」月間イベント。昨年行った学生食堂でのイベントが大盛況だったため、今年はそれに加えて講演会も開催しました。筑波大学のOGであり、国際協力NGOで働く二人のゲストスピーカーから、世界の「食」の現状について、そして今の仕事に就くまでの歩みをお話しいただきました。(文責:ユース・エンディング・ハンガー茨城、TABLE FOR TWO筑波大学)

 

初めてだらけの準備

講演会の開催は今年が初めてということで、模索しながら準備を進めていきました。共催する二団体のコラボレーション感を大切にしたいという思いから、何を決めるにも両団体で話し合いました。広報としては、見た目のインパクトにこだわったポスターやビラを配ったり、フェイスブックページやツイッターを用いて宣伝をしました。
また、講演会の最後に流すための「いただきます」ムービーを、大学内の学生団体であるTHK筑波放送協会の協力のもと作成しました。これは、「日頃の食に感謝しよう」というコンセプトから、学生が食堂でおいしそうに食べている様子や、農場の様子を入れた映像で、来場者がほっこりした気持ちで帰れることをめざしました。撮影も大学内のさまざまな学生団体からの協力を得ながら行ったため、そのことが世界食料デーについて広めるきっかけにもなったと思います。

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イベント当日を迎えて

講演会では、国際協力NGOハンガー・フリー・ワールドとTABLE FOR TWOのスタッフである二人のゲストスピーカーから、飢餓の現状やそれぞれの団体による食料問題への取り組みについて話していただきました。また、大学時代の経験や過去の経歴を現在の職にどのように活かしていったかについても話していただき、とても有意義な内容の講演会となりました。来場者数は38名と、目標としていた50名には満たなかったものの、はるばる大学の外部からお越しくださった方も数名いらっしゃったため、筑波大学内のみならず広く広報した成果が出たのではないでしょうか。
また、来場者アンケートでは、大多数の方が「講演会全体に満足した」と回答してくださっただけでなく、「以前よりも食に感謝の気持ちを感じるようになった」など、気持ちの変化を感じたというものも。他にも、「世界の食の問題に加えて、自分の将来についても考えられるとても良い機会になりました」などの声がありました。長い準備期間を経て、このような形でイベントを無事に終えることができたのも、さまざまな方面からのご支援やご協力のおかげです。このイベントに携わってくれたすべてのみなさんに、心から感謝しています。このイベントで得た経験を生かして、今後も「食」の大切さについて人々に伝え続け、また自らも考え続けていきたいと思います。

 

 

 

vol5.
中学校で世界の食料問題についてプレゼンテーションをしました!

主催:
FAO日本事務所・元インターン/鐘ヶ江美沙
日時:
2012年10月3日(水)
場所:
東京都・私立十文字中学校
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大学のプログラムを通して経験した国連食糧農業機関(FAO)日本事務所でのインターンシップ。「世界食料デー」月間プレイベントの運営補助を中心に、「多くの人に食料問題について知らせること」の重要性を知りました。それをきっかけに、中学校の全校生徒を対象に「世界食料デー」と世界の食料問題に関するプレゼンテーションを行い、チラシを配布しました。(文責:FAO日本事務所・元インターン/鐘ヶ江美沙)

 

世界の食料問題について、伝えたい

FAO日本事務所でのインターンシップを経験する中で、世界の「食」に関する問題、特に先進国の食料廃棄と開発途上国の栄養不良という矛盾した問題にとても衝撃を受けました。「このことを、一人でも多くの人に知ってもらいたい。そして、問題を解決するために私たちにできること、すべきことを考えてほしい」と強く思いました。
そこで、母校である十文字中学校の先生方の協力を得て、「世界食料デー」と世界の食料問題に関するプレゼンテーションを行いました。朝礼時の5分間という短い時間ではありましたが、生徒のみなさん、そして先生方も真剣に耳を傾けてくださっているように感じました。特に伝えたかったのは、「世界では約7人に1人が飢餓に苦しんでいる一方で、食用に生産されている食料の約3分の1が『フードロス』としてムダになっている」ということ。
私自身も、この不平等とも感じる問題を知ったとき、食べ物に不自由なく過ごしていることを考えさせられました。しかしその一方で、問題を解決するために私たちが日々の生活を見直すことの重要性にも気づいたからです。

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解決のために、私たちがすべきこと

食料問題を解決するために、私たち個人ができることは微々たるものかもしれません。しかしながら、一人一人の意識や行動の変化が集まれば、問題解決のための大きな力が生まれると信じています。逆に私たち一人一人が生活を見直さない限り、飢餓や栄養不良は一向に改善されないのでは?とも感じます。食べ残しや作りすぎ、無駄な買い物を控え、環境に配慮されて生産された商品を購入することなど、消費者である私たちにできることはたくさんあるはずです。
今回のプレゼンテーションを通し、生徒のみなさんの、授業で学んだことと実際世の中で起きている問題とのつながりを見つけるきっかけになるのみでなく、「世界食料デー」について知り、飢餓や栄養不良などの食料問題に目を向けるきっかけ、そして食料問題解決に向けて行動を起こすきっかけになってくれればと思います。

 

 

 

vol4.
スモールマーケットの可能性-海外の現場から「食」の問題を考える-

主催:
WE21ジャパン
共催:
アフリカ日本協議会
日時:
2012年8月24日(金)13:30~16:40
場所:
かながわ県民活動サポートセンター403室
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WE21ジャパンでは、10月を世界の貧困について考える期間として、「WEショップ」を中心に、クイズや料理体験、講座などさまざまなイベントを実施する「貧困なくそうキャンペーン」を行ないます。今回はキャンペーンに向けた学習の機会として、「食」と「貧困」の視点から講座を開催しました。(文責:WE21ジャパン)

※「世界食料デー」月間のプレイベント第4回として開催しました

 

スモールマーケットとは

WEショップでは、地域の人たちから寄付していただいた衣類や雑貨を販売し、その収益でNGOの支援や講座など学びの場づくりを行なっています。今回は「世界食料デー」月間2012のプレイベント第4回として講座を開催し、WEショップのスタッフのほか、大学生、企業の方、そして一般からの参加者など、合計74名に参加していただきました。
講座では、明治学院大学国際平和研究所(PRIME)所長の勝俣誠さんから、「平和と食は密接につながり、食べ物は量ではなく『質』が重要で、権利の問題でもある」とのお話がありました。西アフリカを例に取り上げ、市場(いちば)には3つのタイプ、①大企業によるグローバル市場、②地元企業によるローカル市場、③地域生産者による地域市場があり、作る人と食べる人が互いに顔が見える③タイプが「スモールマーケット」という言葉で表現されました。投機商品になった小麦など、自分の手ではコントロールできないグローバル市場に対して、このスモールマーケットは目に見える取り引きをするアナログ世界で、地域で採れるものを自分たちの必要な分だけ生産して食べていることが食べ物の質につながるとのことでした。市場の様子を映した映像からは、羊や鶏、パン、古着、お茶などを売る人、買い求める人たちの活気ある様子が伝わり、参加者はそれぞれマーケットの意味を考えることができたのではないでしょうか。

スモールマーケット1 スモール

 

インド・西ベンガル州での取り組み

その後、WE21ジャパン・インド支援連絡会の河野秀子さんから、インド・西ベンガル州で始まったばかりのスモールマーケットについて紹介がありました。これは現地NGO(DRCSC)の働きかけによって、いくつかの村の人たちが家庭菜園などで作っていた有機野菜を持ち寄り、店舗で販売・運営していこうというもの。自分で生産した有機野菜を誰かほかの人に買ってもらうことで、収入に加えて、村の人たち自身の自信につながるという効果もあるそうです。
参加者からは、「食は商品でなく、生命に直接つながる問題であることを実感した」、「グローバル市場とローカル市場に対する理解が深まった」、「アフリカやインドの話と、日本での産業としての農業と『農』の在り方について考えさせられた」などの声が聞かれ、世界の「食と貧困」のつながりについて深く考える機会となったのではないでしょうか。

 

 

 

vol3.
栄養の視点から考える格差問題-栄養士にできること-

主催:
ハンガー・フリー・ワールド、セカンドハーベスト・ジャパン、国際連合食糧農業機関(FAO)日本事務所
日時:
2012年8月26日(日)14:00~16:30
場所:
JICA 横浜
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日本では肥満や生活習慣病が深刻になる一方で、生活に困窮して十分に食べられない人たちが増えています。世界に視野を広げると、すべての人が十分に食べられるだけの食料が生産されているものの、飢餓に苦しむ人の数は減少していません。このような現状に対して何ができるのか、栄養の視点から考えました。(文責:ハンガー・フリー・ワールド)

※「世界食料デー」月間のプレイベント第5回として開催しました

 

複雑化する栄養問題

今回のイベントでは最初に、日本や開発途上国における「格差問題」を栄養の視点から研究している国立保健医療科学院の石川みどり先生に、この問題を取り巻く現状についてご講演いただきました。かつては、先進国では肥満、開発途上国では飢餓が問題になっていましたが、どちらの国でも経済格差が深刻になるなか、肥満と栄養不足の両方が同時に起こっていることが、まずは報告されました。また、その背景についても、「収入が十分にない」などの経済的な理由や、「お店が近くにない」などの物理的な理由だけでなく、「料理の仕方がわからない」「買い物を頼める人がいない」など、人と人とのつながりが関係するさまざまな要因が絡み合い、問題が複雑になってきていることが指摘されました。

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解決に向けた取り組み

このような現状を受けて、解決に向けた具体的な取り組みを3名の講師の方にご講演いただきました。セカンドハーベスト・ジャパン広報室長の井出留美さんからはフードバンク活動について、ハンガー・フリー・ワールド バングラデシュ支部担当の西岡はるなからはバングラデシュで行う栄養改善事業について報告しました。また、伊勢原市立竹園小学校の栄養職員の吉永加那さんからは、青年海外協力隊としてのコロンビアでの活動経験や、学校で実際に行っている食育活動についてご紹介いただきました。
当日は、栄養士や栄養について学ぶ学生を中心に、定員の30名を大きく上回る51名が参加しました。参加者からは「栄養をメインに格差を語るような機会がなかったので、とても面白かった」「さまざまな分野で活躍されている方の話を聞き、自分が栄養士としてできることを考えるきっかけになった」などの声が聞かれました。「世界食料デー」月間で作成した「給食だより」用のモノクロ素材を持ち帰る栄養士さんも多く、知識を深めるだけでなく、「自分にできることから行動したい」とも思える機会になったようです。

 

 

vol2.
国際協力体験!食べ物をとおして世界を知ろう(ワークショップ)

主催:
オックスファム・ジャパン、国連食糧農業機関(FAO)日本事務所
日時:
2012年8月21日(火)14:00~17:00
場所:
JICA 横浜
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オックスファムは、世界90カ国以上で貧困を克服しようとする人々を支援し、貧困を生み出す状況を変えるために活動する国際協力団体です。オックスファムのキャンペーン「GROW」では、世界を養うために十分な食料を、より公平で持続可能な方法で作り、分け合うことができる社会を目指します。今回は、国連食糧農業機関(FAO)日本事務所と共催したワークショップについて、報告いたします。(文責:FAO日本事務所)

※「世界食料デー」月間のプレイベント第3回として開催しました

 

食料システムを体験しよう

今回は、オックスファムがGROWキャンペーンの一環として開発した、食料問題の構造を知り、世界の小規模農家の境遇などを疑似体験するワークショップ「君はグローバル食料システムに勝てるか?」(英題:Can you Beat The System?)を実施しました。当日は、小中学生を中心に保護者の方や引率の先生を含む23人の参加者にご参加いただきました。
地球温暖化による異常気象、食料価格の高騰、将来の食料確保やバイオ燃料を目的とした大規模な農地の収奪。ニュースで見聞きするこうした出来事が世界の食料システムとそこに関わる人々にどのような影響を与えているか、またどのような点で不平等が生じているのかを体感するこのゲーム。「小規模農家」「トレーダー」「グローバル食料ビジネス」「市場」「政府」の役割別に5つのグループに分かれ、とうもろこしを作り、売買することにより手に入れた金額を競います。予め与えられた道具や資金、役割がグループごとに異なるだけでなく、「干ばつ」や「洪水」などの予期せぬ出来事にも見舞われ、臨機応変な対応が求められます。ルールが複雑で難易度が高いゲームであったにも関わらず、当日は「隣の小規模農家のようにもっと安く販売して」「『政府』は『小規模農家』を支援すべきだ!」など思いもよらなかったような“交渉”や“意見”が飛び交いました。

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現在の食料問題と、その解決方法とは?

短い休憩を挟み、ゲームをして感じたこと、学んだことなどを振り返りつつ、実世界で起こっている食料問題についてディスカッションをしました。頭も体も使ったゲームの後でしたが、参加者全員が熱心に耳を傾けている姿がとても印象的で、国際協力への関心の高さが伺えました。ワークショップ終了後には、「農業の大変さを知った」「グループに関係なく協力すべきだと思う」「自分たち(グローバル食料ビジネス)は、大変な思いをしていないのに儲けてしまっていいのかと思った」という問題の核心に迫るような意見や、「貧しい国の農業問題についてもっと知りたい」「これから募金活動に参加したい」という次の行動につながるような感想も。猛暑の最中の開催でしたが、子どもから大人まで、それぞれが感じ、考え、過ごした、有意義な時間になったのではないでしょうか。

 

 

vol1.
「食」について一緒に考えよう!(ボランティア体験)

主催:
セカンドハーベスト・ジャパン
日時:
2012年7月7日(土)10:00~17:00
場所:
セカンドハーベスト・ジャパン事務所
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セカンドハーベスト・ジャパン(以下2HJ)は、さまざまな方法でもったいない食品を活用しています。そのひとつとして、寄贈された食品を調理して提供する、炊き出し活動を行っていますが、今回は学生を対象にボランティア体験を行いました。(文責:セカンドハーベスト・ジャパン)

※「世界食料デー」月間のプレイベント第1回として開催しました

 

雨のなかでのボランティア体験

2HJでは毎週土曜日に、上野公園で300~500名を対象に昼食を提供しています。2HJでは主要なボランティア活動で、国籍や年齢、職業を問わず、さまざまなボランティアのみなさまが参加しています。 7月7日(土)は「世界食料デー」月間2012のプレイベント第1回として、2HJの大学生ボランティア、国際協力NG
Oのハンガー・フリー・ワールド、緑のサヘル、オックスファム・ジャパンの大学生ボランティアやインターン、そして一般からの参加者、合計18名に参加していただきました!
午前中は炊き出しの準備で、食材を切りスープを作る作業などを行い、午後は雨のなか、上野公園で約300食を配給しました。普段は国際協力の分野でボランティアをしている参加者からは、「日本にも十分に食べられない人がこんなにたくさんいることに驚いた」「食べることの大切さを改めて考えた」などの感想が聞かれました。

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学生にできること

2HJ事務所に戻り、食器洗うなどの後片付けが終わった後は、「世界食料デーに自分たちは何ができるか?」をテーマにグループで話し合いました。あいにくの雨のなか、朝からの作業でしたが、疲れも見せず話し合いは盛り上がりました。「食品ロス削減をアピールした食品を売り出すのはどうか?」「もったいないお化けが出てくるお化け屋敷はどうか?」というユニークなアイデアも出ました。
また、事務所の壁に書かれている、以前ボランティアとして活動に参加してくださった企業のロゴを見て「一般的に忙しいと言われている企業の方々も時間をつくってボランティア活動に参加しているので、自分たち(学生)も就職活動を言い訳にせずボランティア活動に参加したい」という感想も。ボランティア活動に対する意識の変化も見られました。