インタビュー

参加者インタビュー(2014年)

ボランティア
「世界食料デー」月間2014ボランティアチーム

今年、初めて結成した「世界食料デー」月間の学生ボランティアチーム。事務局運営のサポートだけでなく、8月にプレイベントを開催したりと大活躍しています。メンバーの安部雄大さん、大津璃紗さん、田中美里さん、藤間望さん、牧野朋代さんにお話を伺いました。

IMG_2377ss

ボランティアに参加したきっかけは何ですか?実際に参加してみてどうでしたか?

大津:私は大学で国際開発学を専攻していたり、国際協力NGOでインターンをしていたりと、もともとこの分野に興味がありました。でも、学生団体で活動したことはなくて。来年就職をする前に、同世代の人たちと何かやってみたい、学生の立場で何ができるのか考えてみたい、と思って参加しました。

牧野:私は「世界食料デー」月間2014呼びかけ団体のハンガー・フリー・ワールドの活動説明会に参加したことがきっかけでした。もともと世界の食料問題に興味がありましたが、国内でも飢餓を終わらせるためにできることがあると気付いて。まずは「もっとたくさんの人に世界の現状を知ってもらいたい」と思ったときにボランティアの募集を知り、「これだ!」と思いました。

藤間:ハンガー・フリー・ワールドのインターンとして、業務の一環で参加しました。ミーティングの準備をしたり、進行をしたりしてきましたが、周りの人たちが温かく見守ってくれたことがありがたかったです。ミーティングが終わった後、いつもメンバーやハンガー・フリー・ワールドの職員のみなさんがフィードバックしてくれて。イベントの企画や運営だけではなく、ミーティングの準備や当日の進め方とか、実際にやってみてすごく勉強になりました。

田中:私は社会人ですが、ハンガー・フリー・ワールドのインターンとして参加しました。普段は大学で栄養学の研究をしているので、大学生とディスカッションをすることがよくありますが、なかなか意見が出てこない。でも、ボランティアチームのミーティングは参加している人が次から次へと発言するので、びっくりしました。

photoP1030623s

一番印象に残っていることや、気づいたことは何ですか?

安部:ボランティアチームで企画したプレイベントの最後に、参加者のみなさんにメッセージを書いてもらって、それを寄せ集めたロゴマークが完成しときの達成感はすごかった。月2回のミーティングでここまでのイベントができたのは、いろいろな意見を自由に出せたからだと思います。大学の専攻や、興味関心が違う人たちが集まったので、知らないことを知ったり、足りない部分をフォローしてもらえたりできました。

牧野:私は「世界食料デー」月間のFacebookページの「いいね!」が1000になったとき。応援してくれる人がこんなにいるんだなと、一体感を得ることができました。それと、私は「たくさんの人に世界の現状を知ってもらいたい」と思って参加しましたが、「広めるだけでは世界は変わらないのでは?」という気持ちも正直ありました。でも、イベントの準備でNGOの職員さんと話をするなかで、先進国に住む私たちが価値観を変えることや、情報を「見える化」することで世界は変わると思えたことがよかったです。

藤間:意外だったのは「世界食料デー」月間に関わっているNGO・NPO、国連機関の職員さんたちが親しみやすいこと。インターンの業務として呼びかけ団体のミーティングに参加してきましたが、話が全然硬くない。

大津:私も一度だけ参加しましたが、とてもいい雰囲気でびっくりしました。大学生の私の話もちゃんと聞いてくれたし、アドバイスもたくさんいただくことができて。大学生の中には「もっと積極的にNGOの活動に関わりたい」「NGOで働いている人たちと話したい」と思っている人がたくさんいると思います。でも、どうしたらいいかわからない。一方で、NGOは「活動に関わりたい」と思っている人とどうつながるかを考えていると思うので、接点となるような機会がもっとあればいいのに、と思いました。今回、ボランティアチームで企画したプレイベントがその機会になったかも。

5月に活動を始めてから、次々とアイデアを実現してきたボランティアチームのみなさん。「今年のイベントをベースに、更にグレードアップした内容を考えて欲しい」「私たちが考えたこと以外にも新しいことが始まったら面白そう」など、すでに来年のメンバーに向けての期待が膨らんでいました。

フードバンク
セカンドハーベスト沖縄

奥平智子さん

日本で一番南にあるフードバンク、セカンドハーベスト沖縄をたった一人で立ち上げた奥平さん。そのときの苦労や活動を通して感じたこと、「世界食料デー」月間の取り組みなどを伺いました。

奥平画像(よこ)

一人の主婦が始めたフードバンク

きっかけは、2007年に放送されたテレビ番組だったそうです。「家で何となくテレビを観ていたときに特集されていた食品廃棄の問題に衝撃を受けました。同時に、その無駄を活かし、福祉施設団体へ食品を届けるフードバンクの存在を知り、その仕組みに感動して、『これは絶対、世の中の人に知らせなきゃ!』『自分も参加したい』と思いました」。

その後、すぐにセカンドハーベスト・ジャパン(東京にある日本最大のフードバンク団体)に連絡した奥平さん。当時はフードバンクを手伝いたいという感覚でしたが、沖縄ではまだフードバンクは行われていなかったため、どのように活動に参加したらいいのか模索する日々が始まりました。「まず、沖縄で食品が廃棄されている実情を知るために、食品企業にアンケート調査を行いました。しかし、食品廃棄についての情報を公開することはマイナスのイメージになりかねないと、協力してもらえる企業は多くはありませんでした。また、食品の受け手となる福祉施設へフードバンクのシステムを紹介しても、無料で食品を受け取れることを信用してもらえず、断られるケースが多かったです」。

 

たくさんの人の行動やつながりとともに

そこで、奥平さんはフードバンクについて知ってもらおうと、チラシを作成しました。「フリーマーケットを運営している団体にチラシの配布が可能かどうか連絡しましたが、何件も断られました。その後、やっと一件、了承していただくことができたので、毎週チラシを配りました。そのうちにフリーマーケットを主催していた人たちが『ここで食べ物を募ってみたら』と提案してくれたことで、フリーマーケット会場が食品の寄付を受け付ける最初の場所になりました」。

その後、徐々に企業からの寄付も受ける様になり、配布先の福祉施設団体も増えていったそうです。メディアからも注目され、様々な機関からの問い合わせが増えました。「最近では、個人や学生が自分たちで食品を集めて持って来てくれることもあります。行政も窓口となって、生活に困る人たちへ食品を提供するのを協力してくれます。このように、たくさんの人の行動が原動力になっていく。まさに『食のゆいまーる(沖縄の言葉で、“相互補助”という意味)』の活動ではないでしょうか」。

「世界食料デー」月間には、毎年、チラシを置けるか公共の窓口に依頼したり、バナーをホームページに貼ったりするなど、広報活動を行っているという奥平さん。今年も、フードバンク活動を通して出会ったたくさんの人たちと「世界食料デー」月間を一緒に盛り上げてくれるはずです。

企業
電通ソーシャル・デザイン・エンジン

籠島康治さん

広告代理店電通でコミュニケーションの力で世の中を良くしていくことを掲げる部門、ソーシャル・デザイン・エンジンに所属。2013年10月にエントランスロビーでの「NGO/NPO×電通人-世界の食問題にGood Innovation.-」を企画、実施しました。

IMG_0135

若い世代が力を発揮する機会に

世界の食料問題の解決に貢献するために、NGO/NPOや国連機関など11団体と電通社員を「むすぶ」ことで実現した今回の企画。展示の約1ヵ月前から電通のデザイナー、コピーライターなどのクリエイターと各団体のスタッフがチームを組み、活動を紹介するオリジナルバナーを作成しました。籠島さんは企画の発案者の一人であり、全体の調整役を担いました。複数のNGO/NPOなどと一つの企画を進めるのは、電通として初めて。また、普段の仕事ではほとんどのクリエイターがNGO/NPOと接する機会がないなかでのスタートでした。「打ち合わせのときに、どの団体も自分たちの活動やバナーに盛り込みたい想いを真剣に語ってくる。その勢いや熱意に最初はとてもびっくりしたようです」。

しかし、そのとまどいも最初だけで、完成に近づくにつれてクリエイターの熱意も負けず劣らずに。「参加したクリエイターのほとんどが20代で、普段は先輩について仕事をしている人たち。また、営業担当がある程度の打ち合わせを済ませてからデザインに入るのがいつもの流れですが、今回は間に人は介さず、ゼロからのやり取りでした。すべてを任せたことで、若い力を伸ばすいい機会になりました」。

DSC_0464右 (1280x958)

より多くの人に伝えるためには

よりよい社会をデザインするために、たくさんの人に「伝える」ことが仕事の籠島さん。今は「食や農業」の分野に力を入れているそうです。そのなかで、世界の食料問題を伝えることについてはどのように考えているのでしょうか。「例えば、西アフリカ・ブルキナファソの人たちが何を食べているのか、ほとんどの人が知りませんよね。じゃあ、どんなものを食べているのか、どこで食材を調達して、どうやって料理をしているのか。想像を掻き立てる仕掛けが必要なんだと思います。実際に料理をしてもらうとか、食べてみてもらうのもいいかもしれない。行ったことがないような国のことでも、背景を知ったり、体験したりすることで、自然とサポートしたくなると思うんですよね」。

最後に、今回多くの団体と一緒に企画を進めた籠島さんに、より多くの人に伝えるためのアドバイスを伺いました。「人によってソーシャルなことへの感度が違う。印象的な写真や映像を見て一気に心を動かされて行動する人もいれば、静かに共感して長く継続的に活動にかかわってくれる人もいますよね。団体や活動によっても伝えたいメッセージや届けたい相手が異なると思います。そのあたりを考えて、丁寧に作り込んでいくことが大切ではないでしょうか」。伝わるように伝える、というシンプルなことの重要さを改めて教えていただきました。

NGO
開発教育協会(DEAR)

西あいさん

国際理解や国際協力をテーマとした教育活動や参加型学習の普及推進を行う開発教育協会(DEAR)。全国に団体や個人の支援者がいるネットワークNGOとして、「世界食料デー」月間を広めてくれています。

IMG_0712

世界で起こっている問題を考える入り口に

学校やイベントなど、日頃から全国各地でワークショップを行う西さん。南北格差・環境・紛争・貧困など、幅広いテーマを扱っています。そのなかで、世界24ヵ国30家族とその1週間分の食料をならべて撮影した写真集『地球の食卓―世界24ヵ国の家族のごはん』を活用した教材「写真で学ぼう! 地球の食卓」など、食をテーマとしたワークショップもよく依頼されるそうです。「各国で食べられている物の写真を並べて見ることで、参加者は『日本はパッケージが何重にもなっている食材が多い』など、普段の自分たちの食生活やライフスタイルをふりかえり、それがあたり前ではないことに気付きます。そこから『エネルギーをたくさん使ってるかも』と視野が広がって、世界で起こっている問題への興味につながることもあります。食は誰にとっても身近で大切なことですよね。それに、文化、環境、水など、いろんなイシューを関連させて考えることもできる。遠い国で起こっているいろいろな問題と自分たちの生活をつないで考えてもらうための入り口として扱いやすいテーマだと思っています」。

hungryplanet_5 右 (1280x958) 

次の行動につなげるきっかけとして

昨年から賛同団体として参加をしてくれているDEARですが、「世界食料デー」月間をどのような機会と捉えているのでしょうか。「ワークショップはあくまで仮想世界。現実の世界での生活を考えたうえで、次の行動につなげてもらうことが重要だと思っています。例えば、ワークショップの後には『自分が今日知ったことをもっと他の人にも知ってもらいたい』という声がよく上がります。そのときに渡せるチラシや気軽に参加してもらえるイベントがあるのはとてもありがたいことです。『何かしたい』と思ってくれた参加者の次の行動につなげるきっかけになればと思っています」。

また、チラシについてこんな嬉しいご意見もいただきました。「『世界ではこれだけの人が飢えている』などの事実を伝えることも大切ですが、それだけでは情報が流れてしまう人も。でも、「世界食料デー」月間のチラシは『実は開発途上国のなかには食べ物を輸入に頼っている国がたくさんある』『日本も食料を海外からの輸入に頼っているけどお金があるから買える』など、その背景にある問題までしっかり書いてあって、情報の質がとてもいい。現場の声が掲載されているのもいいですね」。

「10月に食のことを考えるワークショップができたら……」と話す西さん。全国へのますますの広がりが楽しみです。